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ベルリンマラソン男子
伏兵、マラソン3回目のフィリップ・マニイムが優勝

第32回ベルリン大会の参加ランナーは総勢4万弱。参加103ヶ国。その頂点に立ったのは、ケニア長距離選手のメッカ、エルドレット市出身の元3000m障害選手のフィリップ・マニイム(27歳)だ。勝った本人も驚き大喜びだった。「6〜7分台の選手が大勢出場。とても優勝できるとは思わなかった。勝ったことが信じられない!」と、3度目のマラソンを2時間7分41秒で初優勝。女子は野口みずき選手にまともに対抗できる選手はいなく、改めて世界トップ女子選手の絶対的数字が少ない傾向を浮き彫りにしたが、男子選手は6分台が6名、7分台が6名、8分台が5選手の実力者が勢ぞろいした。この中に韓国選手1名、アラブ系フランス選手1名以外は総てケニア選手だ。マニイムは現3000m障害の世界記録保持者、ケニア生まれで国籍変更したカタールのシャヒド・シャヒーン(23歳)のイタリアのコーチ、レナト・カノバの薦めでマラソンに転向。昨年アムステルダム・マラソンに初出場、2時間18分17秒で13位、今年の3月のローマ・マラソンで2時間8分17秒、1位と5秒差で2位。急激に記録を向上させて、マラソン転向が大成功した。

野口談

マニイムは「前半はただ先頭グループについてゆくだけだった。前半、63分(通過タイムは63分38秒)のペースだったので楽だったが、やはり、後半になると暑さでペースダウン。28kmで飛び出したのは、自転車からレースディレクターのマーク・ミルドが『勝つにはこの辺で飛び出すのがベストだ!』と声を掛けてくれたからだ。」と笑う。29km通過は、やや無謀な1km2分43秒のハイペースで後続の優勝候補筆頭のペーター・チェベット、ミカエル・ロティッチ、ジョシュア・チェランガ、ジャクソン・コエチらを引き離し独走態勢。30kmを1時間29分54秒で通過。35kmまで6分台のペースだったが、残り5kmを残して上がった気温に次第にペースダウン。マニイムはレースをク−ルに分析した。「後半は暑さとの闘いだった。脱水状態になったので、最後まで勝てるとは思わなかった。気象条件さえ良ければ、次回には6分台で走れる自信がある。」エルドレット市民は南アの衛星TV局が生中継したため、レース結果はたちどこに広まった。マニイムは「ぼくが優勝するなんて、町の人が驚いているよ!」と、ニヤリとした。

(望月次朗)

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