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第29回欧州室内選手権大会 初日

第29回欧州室内選手権大会が、「産業革命」発祥の地バーミンガム市the national arenaで3月2〜4日の3日間開催された。この会場は第9回世界室内世界選手権大会が開催された会場である。アメリカ室内選手権にトップ選手が出場しないように、ロシア選手も賞金がビタ一文でない大会にはトップ選手を送ってこない消極的な傾向にある。ロシアスター女子選手のイェレナ・イシンバエワ、イェレナ・スレサレンコ、タチヤナ・レベデワらのアテネ金メダリスト、世界最強の中距離、跳躍種目選手も欠場したのは寂しい。しかし、そこはさすがに英国の陸上競技ファン、地元選手の大活躍で初日から加熱。男子60m決勝で、大会4連勝で締めくくったジェイソン・ガードナーの圧勝、2位にも英国勢が食い込んで大盛況の大会に終わった。以下は、大会を日ごとに追ってレポートである。

7種の女王、クリュフト大苦戦

初日の決勝種目は3種目だった。

地元のケリー・ソーザートン(英国、30歳)が、地元の声援を受けて、5種目4年間無敗のカロライン・クリュフト(スエーデン、24歳)と、一歩も引かず真っ向から激突。1種目ごと、手に汗を握る熱戦で観衆を湧かせた。

60mHでクリュフトが8秒20,ソーザートンが8秒23で得点差は、わずかに7ポイント。走り高跳びは両者とも1.88mで得点差は変わらず。3種目の砲丸投げでクリュフト14.43m、ソーザートン2投目は14.57mを投げて首位が2ポイント差で逆転。4種目の走り幅跳び、クリュフトが勝負強さを見せ付けた。最後の跳躍で6.59mを跳んで、それまで2センチ差のビハインドから8センチ差をつけて、再び首位に返り咲いた。4023ポイントを獲得。2位との差は24ポイント差に広がった。この2人の決着は、最後の種目800mに持ち越された。ソーザートン逆転優勝するには、約1.5秒差でクリュフトに勝つことだ。観客の「ケリー」コールでソーザートンが懸命に先行、クリュフトが死に物狂いで追走。しかし、観客の応援も空しく、0.54秒差でゴール。取材で、これほどクリュフトが疲労した表情を見たのは初めてだ。2年前クリュフト自信が樹立した大会記録に、わずか4ポイントショートだけの4944ポイントで優勝。クリュフとは「こんなきつい勝負は初めてだった。ケリーとの戦いは素晴らしい経験ができた。」2位のソーザトン4927ポイントは英国、英連邦新記録で、史上4位の好記録だ。

また、この日、スウェーデンが初日から予想通り女子5種目と同じく60mHでスザンヌ・カルーの2人が2冠獲得した。

初日、最初の決勝は女子60mH。スザンヌ・カルー(スエーデン、28歳)がスタートから大きく出遅れたが、慌てることなくキッチリと帳尻を合わせて7秒87で予想通り、前回のマドリッド大会に続いて2連勝。カルーは「スタートでタイミングが悪くて遅れたが、2台目から気持ちよく走れた。」予選から、イリナ・シェフチェンコ(ロシア、31歳)と争い、今季室内世界最高記録7秒84をいきなり記録。シェフチェンコも7秒90の自己最高記録を出した。アレクサンドラ・アナトノワ(ロシア、26歳)が7秒94で2位になった。

男子砲丸投げ決勝戦は、3位になったヨアキム・オールセン(デンマーク、30歳)「優勝のために来た。最初の投擲で大台の21mを超えた記録を出されてショックだった。」と言うように、ミクラス・コノプカ(スロバク、28歳)が21.32m。続21.57m、3回目がファオル以外、すべて5回21mの投擲を見せて圧勝。

 
(望月次朗)

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