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今だから話す、“ハイレの引退を止めた”

ヨス・ヘルマンスは、ハイレのマネージャー。世界で最も最初にプロマネージャー業を始めたひとり、オランダの元長距離世界記録保持者。ハイレが昨年ロンドンマラソン30km過ぎてからの突然の棄権。ハイレの引退を思い止めた経緯など、これまで公表しなかった新事実を赤裸々に話してくれた。

「ハイレは、07年ロンドンマラソンを最高の調整で迎えた。ハイレは30kmを通過した直後、突然、胸を摩りながら棄権した。わたしはコーチ車から先頭集団をフォローしていたが、全く予期していなかった棄権に眼を疑ったほどだった。ホテルに戻ったハイレがあれほど精神的なフラストレーション、ショック、感情的になった状態をこれまで見たことがなかった。眼が点になっていた状況だった。次の朝、『もう走るのは止めたい。』と言ってきたのも寝耳に水のこと!二重のショックだった。ハイレは史上に名を残す偉大なランナーだ。かれ自身も引き際は、きっぱりとしたいと思っている。少なくともマラソン世界記録更新、3分台で走る可能性は十分にあるとこれまでなんども公言してきた。稀代の名ランナーをこのような形で引退することは、かれ自身も不本意はずだと思って説得をしたのです。今でも呼吸困難に陥った原因が究明されたわけではないが・・・。最初、腹痛から始まったというので、なにを食べたか。飲み水科などチェックしたが異常はなかった。医者の説明は極限の運動にアレルギー体質のため、「花粉」に敏感に反応して呼吸系が悪くなったのではないかと言うし、「喘息」の一種と言う判断もできるらしい。わたしとコーチ車に同席した人が、『花粉が舞って綺麗だ』とか言っていたのを聞いたが、その瞬間はそんことは全く気にも止めずレースを見ていた。レース後、その「花粉」を思い出した。ハイレは02年、06年ロンドンで走っているが「呼吸困難」の問題は見られなかった。昨年は花粉が異常に大量に舞っていた事実など説明、もう一度ベルリンで世界記録挑戦するよう薦めたのです。わたしの説得が影響したかどうかは別して、かれ自身の納得がなければ練習再開はありえません。ドゥバイで世界記録更新は五分五分のチャンス。朝7時スタートなので暑さは問題はないが、ペーサーがうまく30kmまで行ってくれたら、世界新記録の可能性が起きるでしょう。ロンドン出場は、五輪前に失敗すると精神的ダメージが大きいので出序しません。」

 
(望月次朗)

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