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ハイレは4度目の五輪出場なるか

通称「ヘンゲロGP」の10000mは、事実上のエチオピア、ケニア五輪選手選考レースだった。熱狂的なファンのバックアップを受けて、ハイレは同僚のシレシ・シヒネ、ゲブレ・ゲブレマリアム、ケニア勢のエリュード・キプチョゲ、レオナルド・コモンらと大激戦を演じた。最後のスプリント勝負でシヒネ(26分50秒53)に負けたが、レース前の公約「条件が悪くともでもサブ27分で走る」を果たして26分50秒53で2位。ハイレ衰えず!五輪メダル獲得の存在を見せた。マネージャーのヨス・ヘルマンスは「高温、風のため少なくとも1周につき1秒は遅かった。」と説明した。

ハイレは、「北京五輪ではマラソンには出場しないが、10000mには出場したい。まだ、これでも26分30秒ぐらいでは走れるよ。あとは協会内の政治的な配慮が選考のかぎになる。首相からもトラックでがんばるように声を掛けられた。出場できればエチオピアでメダルを独占したいが、できなければベルリンマラソンがあるさ。」と、周囲の心配をよそに笑い飛ばした。レースの3日後、ハイレはフランススポーツアカデミーから、「07年世界スポーツ最優秀選手賞」を授与された。エチオピア五輪10000m選手の2人、ケネニサ・ベケレとシヒネらは、ほぼ連続出場が決定。シヒネは同棲中のティルネシュ・ディババと同種目で一緒に五輪でメダル獲得を狙う。女子800mで「凄い!」選手が現れた。アフリカ選手権で1分58秒70のジュニア世界新記録で圧勝したパメラ・ジェリモ(ケニア、19歳)だが、スタートから飛び出しそのまま2位に大差をつけて独走。1分55秒76の今季世界最高、大阪世界選手権で優勝したジャネット・チェプコスゲイの記録を破るケニア新記録、ジュニア世界新記録を樹立。彼女は元400mの選手で数ヶ月前に800mに転向したばかりの逸材だ。

男子円盤投げでエアサン・ハダディ(イラン、23歳)が、2投目に68.52mを投げて、ゲルド・カンテル(エストニア)、ヴィルジィユス・アレクナ(リトアニア)らの強豪を破ってアジア新記録を樹立した。

 
(08年月刊陸上競技7月号掲載)
(望月次朗)

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