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地元期待の星フリードリッヒ、ブラシッチ2連勝なるか 

アリアン・フリードリッヒ(ドイツ、24歳)は、世界選手権地元開催を待っていたかのように急激に力をつけてきた。昨年までの記録は2.03mだったが、カールスルーエ室内大会で2.05mを跳んで実力ナンバーワンのブランカ・ブラシッチ(クロアチア、25歳)とタイ記録で優勝。続く欧州室内選手権でブラシッチにまたも競り勝ち大ブレーク。地元期待屈指の金「星」は、目玉種目の一つになった。金髪、スレンダーな左わき腹に五輪の刺青、真っ黒な大きなサングラスを掛けての跳躍。ちょっと挑発的な派手なパーフォーマンスは国内で圧倒的な人気を呼んでいる。フリードリッヒは今季緒戦のゴールデンリーグで、3度目のブラシッチとの直接対決でも圧勝。18年ぶりのドイツ新記録2.06mを塗り替えて優勝。これまでの記録は、1990年代前半に一世を風靡したヘイケ・ヘンケル(ドイツ)が樹立した2.05mだった。

フリードリッヒは、「こんなに早くドイツ記録を破れるとは思っていなかった。今でもヘンケルの名前はドイツの子供達でも知っている。彼女の名前、記録を追い越すことが目標だ。とにかく地元世界選手権で優勝することが最大の目標」と語る。ドイツ伝統が復活。フリードリッヒ出現で地元勢が最も優勝期待できる種目のひとつだ。ユニバーシアード大会でも2mを跳んで優勝。7月28日、モナコではブラシッチが2.03mを2回目に跳んで、フリードリッヒとタイ記録で優勝。31日、ストックホルムで選手権前最後の対決で、 このダントツの二人を追う2mを越す選手は、ルース・ベイタ(スペイン、30歳)が2.01m、アントニエッタ・ディ・マルチーノ(イタリア、29歳)、アナ・チチェローワ(ロシア、26歳)らのわずかに3選手だけ。

世界選手権での優勝争いは、地元の熱狂的な応援をバックに戦うフリードリッヒ、2連勝の掛かるブラシッチの2人の熾烈な争いになるのは必至だ。

 
(09年月刊陸上競技9月号掲載)
(望月次朗)

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