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ベルリンマラソン女子 フローレンス・キプラガト、2度目のマラソンで初優勝

フローレンス・キプラガト(ケニア、24歳)は、2度目のマラソンで2時間19分44秒の歴代8位の好記録で圧勝した。サブ20は彼女で史上11人目。

キプラガトは「練習を十分に積んで最高の調整ができたが、ボストンでの初マラソンで30kmを過ぎて途中棄権したときの不安がかなり頭の中に残っていた。今朝起きて完走の自信はあったが、ポーラ・ラドクリフ(イギリス、38歳)、イレナ・ミキテンコ(ドイツ、39歳)らの強豪選手らと一緒のレース。勝てるとは全く思わなかった。やはりマラソンは35kmを過ぎてからが勝負。なにが起きるか分からない。距離には不安があったので十分の走り込みを消化。30kmを過ぎてからマイペースに徹して慎重に完走できた。」と嬉しそうに笑った。








「30km過ぎても快調に走れたので、完走する自信が距離を経るごとに生まれてきた。これからはマラソン、ロードレース専門に切り替えたい。五輪の代表は、世界選手権に優勝したエドナ・キプラガットが選考されたので残りはあと2名。ケニアには早い選手が多いので、だれが選出されるかわからない。次のレースの予定はまだないが、いずれにしてもマラソンは疲労回復が長引くので、早く五輪代表に選ばれることが重要。練習はときには夫(モーゼズ・モソップ、今春ボストンで2時間3分6秒の驚異的な記録を樹立している)と一緒に軽いジョギングをしたりする。」と幸せな表情。

前半を70分11秒で通過、後半尻上がりにスピードアップしたのは、トラック、ロード、クロカンで身に付けた総合的な走力の賜物。今年のロンドンを歴代4位の2時間19秒19秒の好記録で制したマリー・ジェプコスゲイ・ケイタニ(ケニア、28歳)と同じようなタイプ。

キプラガトのキャリアは、06年ジュニア世界選手権5000m2位、09年世界クロカン優勝、09年ベルリン世界選手権10000m12位など。5000m14分40秒14、10000m30分11秒53の自己記録を持つスピードランナーだ。10年フランスのリールで開催されたハーフを歴代5位の67分40秒で優勝。1ヶ月後、中国で開催された世界ハーフを68分24秒で優勝。今春のボストンが初マラソン。ハーフを71分42秒、30kmを1時間42分59秒で通過したがその直後に足の故障で棄権している。

キプラガトは今年の札幌ハーフを70分29秒で優勝。彼女の名前を覚えている人も多いだろう。マラソンを始めて間もないが、今後、彼女の活躍に注目したい。



 
(2011年月刊陸上競技11月号掲載)
(望月次朗)

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