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2004年11月27日 ラグビー、仏vsNZ
フレヤーを忘れたフランス、NZに記録的な失点!
11月27日、フランスがホームで8万人の大観衆の前で、ショッキングな失点6− 45でNZに屈辱的な大敗をした。

その前日、ウェールズは日本を98―0で蹴散らし、日本代表史上ワースト2位の失点を献上した試合を取材。連日無様な試合で楽しくもない目撃者のひとりだった。

フランスは苦戦を予想された緒戦、対オーストラリア戦でフィジカル、メンタル、ディスプリンで優勢に進め、ミスのない試合を展開して27―14で圧勝した。
その1週間後、フランスは3連戦のうち最も組やすしと読んだ2戦目、対アルゼンチン戦にフランスの悪い癖がでた。相手を舐めきって受けに立ち14―24で敗戦した。

最終戦は、前記したような無残な結果に終わったのだが、その最も深い原因は、フランス独特の華麗な「閃き」(フレアー)が全くない。
ただ、むやみに大型化を計り南半球のパワーに対抗して正面から激突して粉砕した。

フランスのバックスの大型化を呼ばれて久しいが、1年前のWCで全くNZに歯が立たず準決勝で敗退しているのを懲りずに、さらに大型化を目指そうとする気配がみえる。
多分、現フランスのバックスの平均身長は190cm、体重95kg以上はあるだろう。ボールを持って前に突進するパワー、ボールをキープすることができても、フィットネス、スピード、ディシプリンがなければアドヴァンテージライン突破はなかなかできない。
ガチンコ勝負なら「黒衣」集団が一枚もスピード、体力、ユニットの動きが洗練されている。まともに当たる作戦で勝ち目が少ないことをなぜあえてしたのだろうか理解に苦しむ。

フランスラグビーの真髄は、身体は小柄だが相手の動きを読んで意表をつく、自由の発想、本能的な瞬時の個人判断で独特のプレースタイルを得意としてきた。
そのフランス伝統のプレースタイルは、パワープレーの前に消えてしまったのだろうか。

ハイネケンカップと呼ばれる英国、アイルランド、フランスを含むクラブ間で行われる試合を見る機会があった。
昨年までフランス代表主将だったファビアン・ガルティアが監督を務める、パリ唯一の強豪クラブ、スタッド・フランセ‐ズ対ウルスター戦を取材した。

驚いたことに、ここでもとにかく粒ぞろいの大型選手だ。FWの選手とバックス選手の体格に遜色がないほど頑強な大型選手揃いだ。小柄なのはスクラムハーフとFBのドミニシだけ。

試合もパワーで潰しあい。流れるような華麗なパスワークは一度もない。あのスクラムハーフの名手だったガルティエでさえも選手の大型化を促進している様子だ。

寂しい話だが、ドミニシが最後のフランス代表の継承してきた選手になるのだろうと、フッとそんな気がした。

(望月次朗)

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