2005年1月2、3日第81回東京箱根間往復駅伝
グローバルスタンダードから見た箱根駅伝 駒澤大学4連勝に終わった恒例の学生箱根駅伝は、正月の風物詩のひとつだ。今年もタスキに賭けた数々の感動ドラマ、エピソードを記録した。 ダブルチェックができないので責任持てないが、これらの情報のすべてはインターネットで拾ったものだ。実は、わたしは箱根駅伝を取材したことがなければ見たこともない。 箱根駅伝は関東学生陸連主催だ。関東大学の伝統的な長距離レースがTV中継されてから年ごとに神格され隆盛を極めている。正月TV番組煽動の産物とでもいえよう。 しかし、グローバルスタンダードから見る箱根駅伝は、ローカルな学生の駅伝程度だ。例えばIAAF公式サイトには全国実業団駅伝、宮崎女子ロードの結果は掲載されても、箱根駅伝には興味はない。異色レースなため、主流から大きく外れているのだ。日本のスポーツ発展は戦後学校教育一環のひとつとして、世界にも稀な文部省の指導下で急速な発達をしてきた。このため中学校、高校、大学と、その都度に短期間集中指導を受け、結果を厳しく追求するパターンで争われているのが現状だ。 個性適正をテストする時間、考える余裕もなく、学校クラブ活動では長期的な視野、モチベーション、一貫した指導はなく、マスの大義名分の前に個性の尊重は希薄になる。 毎年卒業生を否応なく放出、新入生が多数入学してくるサイクルが存在している。過去20年、箱根駅伝から世界に通じるマラソン選手は、ロンドンマラソン、91年世界選手権優勝した谷口博美(現沖電気監督)だけだろう(?)選手の数、膨大なエネルギー消費の割には誠に少ないと言えるだろう。 例え優勝の栄光を獲得しても、猛練習で酷使された精神、肉体は燃え尽き、潰され、二度と走る余力もなくなった選手がゴマンといるだろう。 箱根駅伝を目指す大学生の長距離選手の4年間、膨大な若いエネルギーの凝縮が駅伝に集中される。「burn out」 された精神、肉体に、大学卒業後、大きく開いた空洞を埋める箱根駅伝に匹敵する新鮮かつ具体的な「目標」を捜すことは至難のことだろう。 |
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