ラグビー六か国対抗戦開幕
フランス辛勝、イングランドはウェールズに敗戦 2月5日、恒例の05年6カ国対抗戦が、フランス―スコットランド戦で開幕した。この日、時間をずらしてウェールズ―イングランド戦も行われた。 試合数日前に発表があったフランスのスタメンを見て、少なからず失望した。昨秋、フランスは対NZ戦で屈辱の敗戦(6−45)をホームで強いられたのに、ラポルト監督の基本的な選手選考は「パワーラグビー」に象徴されているからだ。 故障復帰の第3列の不動3選手が、マニュとアリドロノキは故障、ベツソンは試合停止で代表洩れした。 替わった3列の選手、ボナイレー、タバコ、シャバルらは、レギュラー組みよりさらに大型選手だ。 ハ―フ団が新コンビ。3年ぶりに代表復活したミニョーニと11年ぶりに代表復活したSOドゥレギュの2人。しかし、固くなったのか、SOが得点チャンスの最初のPK3本を外し、フランスを苦戦に追いやった。 バックスはドミニチが左ウイングに返り咲き、10番にはジュニア時代に有望視されて6年ぶりに代表復帰したデラーギュを加え、トレイユ、リエベンベルグ、ルジェリらは、第3列目の選手並みで俊足大型選手を揃えた。 8万の観衆を目の前にして、試合は肉弾正面衝突の繰り返しだった。意味のない強力フランスFWが「俺らは強いぞ!!」を見せるためだけに再三見せる“ドライヴィングモール”は効果ゼロ。前進するも得点に結びつかない。 スコットランドはパークスのキックで左右ウイングの後方、タッチラインギリギリにボールを落す。これはフランスの出足を鈍らせる効果と距離をゲインするが、そこから効果的な攻撃、作戦、個人能力突破の武器は持たない。 後半のなかば、ただ凡戦の連続だ。 残り10分、ミチャラクとヤチェヴィルを投入。ハーフ団が試合の流れをガラリと変えた。ミチャラクが前に飛び出す相手のバックスの動きを良く見て好判断。左サイドのDFラインの背後を突くパント。 気の抜けたビールを飲んだような、後味の悪い、味も素っ気もない試合は16―9で終了。勝ったと言うものの、課題の多いフランス代表の緒戦だった。 この日、ウェールズはイングランドを11―9で破り12年ぶりの勝利を上げた。イングランドがワールドカップを制覇してから14ヵ月後、世代交代が大きなネックになっている。 |
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