松宮隆行、11年ぶりに5000m日本記録を塗り替えA標準記録突破 ベルギー北部の村、ヒューズデン−ゾルダーで開催された第28回KBC-Night of Athletic でふたつの日本新記録が誕生した。無風、涼しいぐらいの絶好の気象条件も味方にした。女子3000m障害の早狩実紀(京都光華AC)自身の持つ日本記録(9分41秒21)を2年ぶりに更新した。その直後、5000mで松宮隆行(コニカミノルタ)が13分13秒20の日本新記録で5位に入った。これは高岡寿成(カネボウ)が持つ従来の日本記録を9年ぶりに0秒20更新した。この記録は世界選手権参加標準記録A、13分21秒50を上回っているため、文句なしに日本代表に追加された。これまで松宮は日本選手権で5000、10000mの2種目を制したが、標準記録に達せず、その突破が代表入りの条件だった。7月11日、北海道の士別で開際されたホクレンディスタンスチャレンジ深川大会で10000mB標準記録(28分06秒00)にも挑戦したが,10秒ほど届かず失敗。ベルギーのレースが最後のチャンスだった。なお、世界選手権10000m代表の竹沢健介(早大)は日本歴代4位、日本学生新記録の13分19秒00で11位。高岡の持つ学生記録(13分20秒43)を15年ぶりに更新した。Bレースで13分21秒49の3位に入った上野裕一郎(中大)とともにA標準を切った。同一レースで複数の日本選手が13分20秒を切ったのは初めて。従来の日本記録は高岡寿成(カネボウ)が1998年にマークした13分13秒40だった。 松宮はレース直後、嬉しそうにこう語った。「これで念願の世界選手権に出れます。『やった!』と思いました。これまで世界選手権、五輪などの出場チャンスがあったのに、実力不足だったと思いますがホント縁がなかった。これで今までの苦労が報われて、やっと希望がかなえられました。日本新までは狙っていなかったのですが・・・。地元開催の世界選手権には出たかったので、64秒で回れば十分だと読んでいました。ぼくのベストが2年前の13分29秒50ですから、調子がよければB標準記録は破る自信がありました。あれから国内で日本選手に負けていませんし、力はかなり付いてきたと自信はありました。スタート直後のペースは、チョットぼくには早すぎたので、あのままでは後半きつくなると思ったので一番後方で様子を見ていました。余裕を持って走れたので、後半、勝負よりも記録に挑戦して積極的にペースアップしたのが良かったと思います。後半、前に出ましたが、他の選手のことは考えないで自分のレースができたと思います。4300mぐらいで一時トップで走りましたが、どこまでやれるか攻めました。でも、直ぐに先頭を奪い返されましたね。ロッテルダムマラソン後、あのレースは暑かったので休養を十分取ってからトラック練習に入りました。日本選手権後、ホクレンではかなり疲労があったので、北海道ではほとんどジョギング程度で調整。疲労抜きに専念してきたことが良かった。ここにきてからイイ状態になったと思います。日本新記録はそれほど驚いていません。ぼくの大きな目標は、いずれは5000m、10000m、マラソンまでの高岡さんの持つ日本記新録記録を狙っていますので、その一角の5000mの記録を崩し、同時に世界選手権切符を獲得できて最高の喜びです。世界選手権ではファイナル進出を目標にして、世界のトップ選手と一緒に走り、かれらの強さ、凄さ、スピードを体験したいと思います。これを契機に、北京五輪マラソンに結びつきを求めて選考レースに臨みたいと思います。」 大阪世界選手権をカタパルトに、松宮のトラック、マラソンの走りに注目したい。 早狩実紀 |
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