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小兵、ツエガエ・ケベデ優勝、エチオピア五輪代表決定か

第32回パリ・マラソンは6日、パリの顔、シャンゼリゼ大通りをスタート。東のバンサンヌ公園を折り返してセーヌ川沿いに西に向い凱旋門に帰ってくるコース。8時45分スタート。気温5度。市民ランナーを含む約3万7000人が参加して行われた。男子は、マラソン2度目の小兵(身長156cm)ツェガエ・ケベデ(エチオピア、20歳、)が、昨年のアムステルダムで出した自己記録2時間8分16秒を大きく更新する2時間6分40秒で優勝。2位のモーゼス・アルセイ(ケニア、25歳)も、自己記録を4分短縮する2時間6分50秒の好タイム。女子はマーサ・コム(ケニア、25歳)が、最後の200mスプリント争いでウォクケネチ・トラ(エチオピア、30歳)を破り、自己記録を7分以上短縮した2時間25分33秒で制した。

パリ大会は歴史はあるが、比較的若い選手が多いため03年に6分台が一度記録されただけでそれほど記録は良くない。今年は、6,7,8分台がそれぞれ2人、サブ10が12人の激戦だった。ゲタ・ワミの夫、ギタネ・テサマが1年半、手塩に掛けて育ててきたマラソン2回目の小兵(156cm)ツエガエ・ケベデ(エチオピア、20歳)が、激戦を制して初優勝。スタートから5,10,15kmを15分ペースで通過。トップ集団は、ポール・コスゲイ、デビッド・ケンボイ、ジェ−ムス、ホセア・ロティチ、モーゼズ・アルセイ、バンソン・バルースらのケニア勢。高岡は5kmを過ぎてから第2集団に落ちた。ハーフを63分40秒で通過。30kmを過ぎて4人のケニア、2人のエチオピア選手らが残った。されに35km過ぎるとケベデ、グディサ・シェテマ(エチオピア、27歳)、アルセイらの3人が残った。ケベデはアディス40km郊外出身。2度目のフルマラソンながら向かい風になると、大柄のアルセイを風除けするベテラン並みの慎重なレース運びで体力を保存。後半に勝負を掛けた巧妙なれース運びだった。

冷静にスパートの機をうかがい、仕掛けは40km過ぎてだった。一挙に、差を広げてそのまま無表情にゴールに飛び込んだ。昨年のグレートエチオピアラン10kmレースで29分06秒でで優勝。数回、クロカン練習をエチオピアで見たことがあるが、選手の中でもひときわ小さいく集団中に隠れてしまう。昨年の福岡マラソンでで2位になったD・メルガ同僚だ。ギタネのコーチする2人のマラソン選手、メルガ、ケベデの2人は、ほぼエチオピア五輪マラソン代表確定だろう。

女子は、マルタ・コムが、最後の直線200mのスプリント争いで競り勝って2時間25分33秒、2位にはウォルケネシ・トラが4秒遅れで入った。コムはフランス在で練習。フィアンセは、元ケニア国籍、現フランス国籍のマラソン選手サイモン・ムンユツのフィアンセだ。ムンユツは五輪標準記録を破る2時間9分24秒で11位。カップルの五輪マラソン選手が誕生するだろう。





 
(08年月刊陸上競技5月号掲載)
(望月次朗)

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