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ビンセント・キプルト、コース新記録で優勝

第33回パリマラソンは、快晴、無風、スタートは10度と絶好のコンディションに恵まれた。大物選手の名前は見られなかったが、若いケニア、エチオピア選手が記録に挑戦した。最初の5kmを14分48秒、15分、15分01秒、14分43秒、ハーフを最近の国際レースの常識的な62分46秒で通過。後半、セーヌ川に沿って西に向かう折り返し地点を優勝したビンセント・キプルト(21歳)、キプコリル、キエング、キビヲット、(以上ケニア)、初マラソンのウォルク(20歳)、アドハネ(エチオピア)、キスリ(モロッコ)らのトップ集団がさらにペースアップ。ケニア対エチオピア選手の優勝争いに絞られた。14分46秒、15分7秒、30kmを1時間29分26秒のハイペースをキープ。30−35kmからの5kmを15分31秒とペースが一定しないものの、35−40kmの5kmが14分34秒と若さに物を言わせての驚異的なペースアップ。キプルトが追いすがるウォルク、キエング、アドハネらを残り3kmで突き放し独走。2時間6分15秒のコース新記録で優勝。これまでの記録は、03年ミカエル・ロティッチ(ケニア)の2時間6分33秒。「こんないい記録で優勝するとは思わなかった」と、自己記録2時間8分16秒を大幅に更新して大喜び。6選手がサブ7分、11選手がサブ9分のハイレベルなレースだった。

一方、女子はスタートからエチオピア勢の争い。優勝はアツエデ・バイサ(エチオピア、21歳)が、07年イスタンブールで記録した2時間29分08秒を大きく更新して優勝。

 
(09年月刊陸上競技6月号掲載)
(望月次朗)

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