ドイツ魂、ハーティング奇跡的な逆転優勝 ロバート・ハーティング(ドイツ、25歳)は、「地元の期待に応えて優勝することができてホッとした。応援ありがとう!初回の1投は良かったが、それ以降の投げがいまひとつ良くなかったので苦労した。6投目で自己新記録が出て逆転優勝できたのは、スタジアムの8万人のバックアップのお陰。数メートル伸びたのは観衆の力です」と、シャツを引きちぎって狂喜した。 ドイツ人は国内でめっぽう強く燃えるメンタリティ。力以上に結果を残す。男子円盤投げも、もちろんそれだけの潜在的な力を持たなければ不可能なことだが、一種の地元有利に動いた番狂わせのような印象だった。 ハーティングは、大阪で66.68mを投げて2位。この種目で史上最年少メダルを獲得した。続く北京五輪同種目での4位もドイツ陸上選手の最高位だった。 08年7月以来無敗を続ける北京五輪優勝者のゲルト・カンテル(エストニア、30歳)、五輪2位のピオトル・マラチョウスキ(ポーランド、26歳)の2強争いと予測された。 ハーティング、カンテル、アレクナらのトップ選手は予選記録64.50mを一発で通過したが、マラチョウスキは3投げて最高64.48mで通過した。 予選を終わった時点でハーティングは、「足は震えるし自分の身体ではないような気がした。1時間前はすべてがうまく行ったが・・・、一投目で予選通過したが技術的には良くなかった。カンテルが『オレはメダル候補ではない』と予想したらしいが、そういわれちゃあ黙って引っ込んで入られない。目に物を見せてやりたいね。ここ2週間投げる腕に話しかけたりしているし、なるべく余計なことに使わず保存した」とコメントを残した。 カンテルは、「一投で予選通過したので決勝にエネルギーを節約できる。アレクナ、ハーティングらが好調だ。予選を通過した時点で、トップ3は決まったようなものだが、順位が決まっていないだけさ。個人的には70.17mの大会記録を更新して70.50mぐらいを狙っている」と、自信満々だった。 アレクナは、「ハーティング、カンテルらが最も優勝に近いポジションだ。」と、予測した。 結局、カンテルは最後まで調子が上がらず3位。マラチョウスキが5投目まで68.77mでリードして優勝決定したかと思われたが、ハーティングの6投目は69.43の自己新記録。逆転でトップに躍り出た。マラチョウスキは最後の投擲でポーランド新記録69.10mを投げたが及ばず2位に甘んじた。 |
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