shot
 
NEWS
ユベントス
イブラヒモヴィッチ、ユーべの顔になるか?
今年ポルトガルで開催された欧州選手権大会は、衝撃的な番狂わせでギリシャ優勝の 陰に隠れた感じだが、久々に新旧交代を告げる若手選手の台頭が華々しかった。
ルーニー(イングランド)、ロナウド(ポルトガル)、トーレス(スペイン)らの優秀なFW、なかでもスエーデン攻撃の軸ゾルタン・イブラヒモヴィッチ(21歳)は異彩なテクニシャンだ。

血は争えないもの。スエーデン生まれだが、名前からおおよそスラビア系移民2世と想像がつく。大柄だが人を食ったような足技、伝統のバルカン妙技の持ち主だ。スエーデン躍進の原動力の中心選手だった。
今季、アヤッスからユヴェントスに移籍。たちまちに新監督のカペロの信頼を獲得、クラブの顔、デル・ピエロに劣らない攻撃の主軸定位置に納まっている。

長い間デル・ピエロはクラブの“顔”として、君臨、存在してきた。ユーベはレアル、ACミラン、インテルなどと違い高額スター選手を獲得に興味がない。ここにきて大きなツケが回ってきたのか?

チャンピオンズリーグ戦、ユーベ対バイエルン戦を取材した。この好カードにもかか わらず、TV放映の影響か?観客が入らない。8万人収容スタジアムに3万人弱だけ。 閑古鳥が鳴いている寂しさだ。

この夜、デル・ピエロは故障からの復帰戦だった。動きも今ひとつ、バイエルンのDFに封じられた。一方、イブラヒモヴィッチはボールが渡る度、なにが飛び出すかわからない期待に観衆が湧く。
ライン際で片足をボールにおいて静止、両手を腰に落しDFと対峙する。観衆がドッ 湧くポーズをとる。自信たっぷり、平気で人を舐めきった態度だ。
細かくボールを左右に揺さぶり、ゴール前のドリブル突進は迫力がある。バイエルンのDFがこのときばかりは2人係で必死だった。

イブラヒモヴィッチの加入は、リーグ、チャンピオンズリーグ優勝への躍進に大きな 原動力になっている。最近、カルチョが攻撃的なスタイルに少しずつ変わってきた。そ の先鋒の1人が若いイブラヒモヴィッチであることには間違いなさそうだ。

(望月次朗)

Copyright (C) 2005 Agence SHOT All Rights Reserved. CONTACT