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第1回、世界ロード選手権大会、キプラガト世界最高記録で優勝、日本女子団体3位

デブレチェンはハンガリーの首都ブタペストから東に220km離れた人口20万人の第2の都市。中世の時代から温泉で知られた街。01年ジュニア世界選手権大会も開催された。

絶好の秋晴れ、気温も16〜28度前後、微風の最高のコンディションだった。

コースは平坦な公園を4周(1周5km)する集会コース。女子は出場21カ国から70選手が参加した。スタートから優勝候補筆頭のローナ・キプラガト(オランダ)、コンスタンティアン・トメスキュ(ルーマニア)、リタ・ジェプ(ケニア)、エディス・マサイ(ケニア)らのスピードランナーがトップ集団を形成、レースの主導権を握った。最初の5kmを15分34秒で通過。福士加世子(ワコール)もトップ集団に加わってハイスピードで回ったが、1周目を回ったころから遅れてきた。「先頭についてゆく予定だったが、予想より早いペースなのでちょっと引いてしまった。リズムを壊してうまく対応できなく、攻め切れなかった。」ロード経験不足を暴露したと言えようか。

レースはトスメキュが先導、キプラガトが追うような展開だった。トップ争いはこの2人のハイペースで潰しあい。残り1kmでキプラガトがわずかにリードして1時間3分21秒の世界新記録優勝。この記録は、01年ポーラ・ラドクリフ(英国)の記録を5秒短縮した。キプラガトは「コンスタンティナがペースアップしたので、どこまでも一緒について行くつもりだった。勝てると思ったのでペースアップもさして苦にならなかった。20kmの世界記録は、ポーラに破られる前はわたしが持っていたもの。ぜひ取り戻したかったのでとても嬉しい。」一方、期待外れの6位になった福士は、「後半、中村が追い上げてきたので、負けられないのでがんばりました。(笑い)もう少し前に行きたかったですね。」と、不完全燃焼のレースだった。

永山監督は福士のレースをこう分析した。「目標は4番手ぐらいと見ていたが、レース展開は予想以上のハイペースだった。若干、ロードの経験不足があったと思う。この経験を踏まえてさらに練習を積んでレベルアップすることに繋げて欲しい。アジア大会で中国選手と競り合い、日本新記録が出れば・・・。福士は10000mを30分30秒ぐらいで走るポテンシャルはあると考えているので、そのあとにマラソンを考えたい。」

日本女子は団体で3位。そのメンバーから一言。

中村梨香(天満屋)は1時間5分36秒で7位。「前半はよかったんですが・・・、コースは平坦で凄く走りやすいコースだった。」

木崎良子(仏教大)は1時間7分52秒で19位。「楽しかったレースです。みんな早かった。力不足です。」

坂田昌美(キョウセラ)は1時間8分13秒で20位。「このような大きな大会は初めてだったので緊張しました。でも、案外楽しかった。」

一方、男子は13時スタート。33カ国から97選手がエントリーした。絶好調のゼレセナイ・タデセイ(エリトリア)が最終回を独走して56分01秒で圧勝。男子は家谷和男(山陽特殊製鋼)が59分56秒で27位が最高だった。

今回から名称が「第1回世界ロード選手権大会」と変わった。今後2年間、ハーフマラソンが開催されるが、その後の大会の距離は必ずしも一定はしないという。各地で開催される各種のロードレースと同時開催される予定だ。

(06年月刊陸上競技誌11月号掲載)

 
(望月次朗)

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