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欧州国別対抗戦、男子フランス、女子はロシア11連勝

伝統的な「ユーロピーアンカップ」(欧州国別対抗戦)が、ミュンヘンで6月23,24日の2日間に渡って開催された。この大会を簡単に説明すると、1957年、イタリア人のブルノ・ザウリの提案で6カ国対抗戦として始まり、現在は「ユーロピーアンカップ」を頂点に、1部リーグA,B,2部A,B、各大会で男女8カ国から各種目1名出場、獲得ポイントで争われる。各リーグ最下位が降格して入れ替えがある。

今年は男子はフランスと地元ドイツが同点だったが、フランスが2位の数でドイツを上回って優勝が決定。ロシア女子は圧倒的な強さで11年連続総合優勝を飾った。

大会ハイライトを拾ってみた。

男子1500m、年間のレース数が極端に少ない欧州選手権2連勝のメディー・バーラ(フランス)が3分47秒36の平凡な記録で楽勝。「このレースは勝つことが重要。今季最大の目標は世界選手権大会の優勝だ」と、レースのコメントだった。

ヘルシンキ世界選手権110m優勝者のラジ・ドゥクレ(フランス)が、昨年の故障続きから順調に回復。まだ、シーズン開幕直前の平凡な13秒35、今季自己最高記録で優勝したが、「スタートが悪く、リズムに乗れず途中で止めようかと思った」調子は今ひとつだ。

大阪男子400mHメダリスト候補のペリクリス・イアコヴァキス(ギリシャ)が、強い風の中を48秒45、今季ベスト欧州記録で優勝。

男子棒高跳びは、地元の声援を受けてティム・ロビンガーが5.70mで優勝。ベテランの健在ぶりを示した。

男子走り幅跳びで今季世界最高記録8.66mを跳んだルイス・ツアトウマス(ギリシャ)が向かい風をものともせず、8.16mを跳んでダントツの強さで優勝。地力あることを証明した。

男子三段跳びは、アレクサンダ・ペテレンコ(ロシア)が、2回目の跳躍で17.29mの自己新記録で、好調のフィリップス・イドウ(イギリス)を抑えて7cm差で優勝。

ぺテレンコは「これで少しは金儲けができそうだ。」と喜んだ。

女子200mで数年間出産やらで調子を落としていたムリエル・ウーティス−ウアイリ(フランス)が22秒83で優勝、カムバックなるか。

女子走り高跳びのイェレナ・スレセレンコ(ロシア)は「簡単に勝てると思ったら、最後まで緊張して戦った。まだミスが多いが記録的には、それほど悪くない。」勝ってホッとした様だった。

怪我続きだったユニス・バーバー(フランス)が走り幅跳びで平凡な6.73mの平凡な記録で優勝した。大阪世界選手権大会では「7種目に専念したい。」と、抱負を語った。

女子ハンマー投げの世界新記録78.61mを達成して絶好調のタティアナ・リセンコ(ロシア)は、最初の投擲からマイペースだったが、「結果は全く気に入らない。世界新記録を狙ったが・・・、記録的に満足できない。」と、好調だけに不満だらけ。地元の期待したベティ・ヘイドラー(ドイツ)を2mほど引き離した75.55mで楽勝。

この時期、まだまだ多くの選手はハードな練習に明け暮れ、試合に微調整をせずに出場してくる。欧州陸上界は、やっと屋外シーズンに入ったばかり、軽い手合わせと言った感じだ。

 
(07年月刊陸上競技誌8月号掲載)
(望月次朗)

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