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ウィリアム・キプサング大会新記録で優勝、 ケニア五輪リザーブ選手

4月13日、第28回ロッテルダムマラソン男子はウィリアム・キプサング(ケニア、30歳)が、35km手前で2度目のスパート。2位以下を振り切って、2時間5分48秒の大会新記録で初優勝した。女子はリュボフ・モルグノワ(ロシア、37歳)が2時間25分10秒で初制覇した。スタート時の気温12度、微風。絶好の気象条件に恵まれた。男子はケニア勢の20数名の大集団が最初の5kmを14分57秒で通過。積極的なレース展開で記録に挑戦した。レース前、新規のレース主催者は、コース新記録(コース記録は、04年フェリックス・リモの樹立した2時間06分14分)とサブ6分台突入が目標に掲げていた。10km29分45秒、ケニア勢のキプサング、ダニエル・ロノ、チャールス・カマティ、リチャード・リモ、ポール・キルイ、ベンジャミン・マイヨ、ダニエル・イェゴらが15kmを44分35秒、ハーフを62分54秒で通過。28km付近でキプサングがスパートしたが、ロノ、カマティが直ぐに追いつき再び並走。35キロ手前でキプサングが飛び出しグングン差を広げて、2位のロノに1分以上の大差をつけてゴール。

「レース前の公約、サブ6分、優勝を果たせて大変に嬉しい。昨秋のアムステルダムで2時間6分39秒で優勝しているので、天候に恵まれればコース記録は敗る自信はあった。サブ6分台に突入できたのも、昨年とは違って気象条件、同僚の積極的なレース展開によるもの。28km過ぎて最初に仕掛けたが、ロノ、カマティらが直ぐ追いついてきた。しかし、2度目のスパートで引き離すことができた。今日の結果は、ケニア北京五輪マラソン代表選考の対称になるだろうが・・・、ロンドン、ボストンの結果次第に掛っている。」(注:4月25日、ケニア陸連はキプサングを北京男子マラソンリザーブ選手に選考した。88,91,92年ボストンマラソンで優勝したケニア陸連幹部のひとり、イブラヒム・フサインは選手選考をこう語った。「3選手と2選手の予備選手によって合宿を行う。大会直前になって、調子の最も良い3選手を最終決定する」・・・がこれまでのケニア陸連の手段だったが・・・コロコロ変わるから最後までわからない。)

2位のロノ、3位のカマティもそれぞれ2時間6分58秒、2時間7分33秒の自己新記録を樹立した。

女子は、冷静なレース運びでモルグノワが、後半ペースが落ちて2位になったゼリコス・アダネシュ(エチオピア)を25kmで捕らえ30kmまで並走。残りの12kmを独走、2分以上の大差をつけた2時間25分12秒の自己新記録で圧勝。優勝の弁をこう語った。「自己新記録で優勝したのは嬉しい。前半をマイペースで走ったのが、自己記録更新に結びついたと思う。後半の走りが良かった。この優勝で五輪選考は有利になったが・・・、どうなるかわかりません。」

1位から6位までがこぞって自己新記録を樹立した。

 
(08年月刊陸上競技5月号掲載)
(望月次朗)

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