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ジャマイカ国際招待

ジャマイカ対アメリカ選手らのスプリントレースに重点を置く、「ワールドアスレティックツアー2009」のひとつ、第6回「ジャマイカ国際招待」試合が開催された。大会3日前、北京五輪スプリント3冠を獲得したジャマイカの至宝、ウサイン・ボルトが交通事故で車を大破。運よく、奇跡的にも無傷で生還したが、大事をとって国際試合を棄権。競技開始直前まで土砂降りの大雨に見舞われ、競技開始を大幅に遅らせるなど観客動員に影響があった。しかし、そこは熱狂的な観衆が屋根のあるメインスタンドを埋め尽くした。

男子100,200mの2冠を制したのは、五輪100m8位のダービス・パットン(アメリカ)10秒02、最後の20mを流して20秒49だった。ジャマイカジュニア記録保持者のヨハン・ブレークが3位に入りひときわ高い拍手で称えられた。

男子400mh:ハビエル・クルソン(プエルトリコ)が、同国ナショナル新記録の48秒42でトップ。続く3選手が48秒台の激戦。北京五輪2位のケロン・クレメンス(アメリカ)は49秒10で5位。大会後、大阪GPに飛んだ。

男子砲丸投げ:五輪2位のクリスチャン・カントウェル(アメリカ)が、最初の投擲で21.16mを投げて優勝。地元のドリアン・スコットが21.09mで2位だった。

女子100m:五輪2位のケロン・スチュアートが、五輪優勝者のシェリー−アン・フレイザー、同200m5位のマーシャベット・フッカー(アメリカ)らを抑えて今季世界最高記録の10秒92の好記録で圧勝。「昨年のこの時期より記録は思ったより早かった。」と喜んだ。

女子100mh:ドーン・ハーパー(アメリカ)が、12秒78で他を寄せ付けず、五輪優勝者の貫録勝ち。「シーズン開幕デビュー戦でこの記録は最高だ」と、大喜び。2位は地元のヴォネット・ディクソン。

女子400m:優勝候補筆頭のサンヤ・リチャーズ(アメリカ)が地元のノヴレン・ウィリアムズに最後の50mで力尽きて敗戦。リチャーズは、「数週間病気で調子は良くない。この状態でこの記録なら悪くはない」と、サバサバしていた。

大会最後の種目、男女高校生の4x400mリレー。観衆が総立ちになって贔屓チームの応援でお祭り騒ぎ。

ミルズコーチらの率いるボルトグループの好ライバル、スティーブン・フランシスコーチ門下生のパウエル、カーター、フレイター、らの男子スプリンター、五輪女子100m2位のシンプソンは欠場した。

 
(09年月刊陸上競技6月号掲載)
(望月次朗)

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