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本格的な欧州屋外シーズン開幕

オランダの東部にある小さなヘンゲロ市で、第27回「FBK−GAMES」が開催された。ハイレ・ゲブレセラシエは、ここでは「Mr. Hengelo」と呼ばれる。かれ自身がオストラバで記録した、1時間走世界記録21285mに挑戦。晴れから急転して雨、風にも悩まされたが、明らかに主役のハイレ自身の調子が本来のものではなかった。キプリモ・キムタイ(カニア)、ウイルソン・キプロップ(ケニア)らがレースを引っ張ったが、終始苦しそうな表情で走りに切れがない。最終的に、20822mを走行して優勝したが、やはり世界記録には到底及ばなかった。次回はベルリンマラソンでワンジルと対決予定とか。ちなみに、ロンドンで2位になったツエガイ・ケベデは、世界選手権エチオピア代表に決定している。








男子

・100m:チュランディ・マルティナ(Netherlands Antilles)が, オランダ国内初のサブ10、今季世界最高記録の9秒97で優勝した。

・800m:今季も元気なアブバケル・カキ(スーダン)が、同僚をペースメーカに仕立てて1分43秒10で優勝。2位はアミン・カルー(モロッコ)の1分43秒36,3位はデイヴィッド・ルディシャ(ケニア)が1分43秒53秒だった。

・1500m:北京五輪2位の長身のアスベル・キプロップ(ケニア)が、余裕の3分34秒45で楽勝。五輪優勝のラシド・ラムジ(バーレン)が、ドーピング問題で優勝剥奪が決まれば、キプロップが繰り上げられる。2位はデレセ・メコネン(エチオピア)だった。ベケレは、1周でほぼ予定通りレース放棄。予想外に長引いた足の故障から、練習不足でまともに走れる状態ではない。レース前、マネージャーから、「トップ3」が無理だったら棄権を指示されていた。

・5000m:小柄な21歳のエチオピア選手、アリ・アブドシが最後の200mでオーガスティン・チョゲ、ベテランのエリュ−ド・キプチョゲらのケニア勢と競り勝った。今季世界最高12分59秒56の自己新記録で大喜び。

・走り幅跳びは、北京、アテネ五輪優勝者のトップ争い。アーヴィン・サラディノが3回目に8.56m跳んで優勝。数年前のジャンプ勘が蘇ったドゥワイト・フィリップスは、5日目に8.54mを抑えて2位。4回目のファウルのジャンプがとてつもなく大きかった。サラディーノは、「ここのピットはマジックだ!」と言って好記録を喜んだ。フィリップスは、「今年のオレを見てくれ!」と。5人まで8m越え。今年の走り幅跳びから目が離せない。

砲丸投げは、世界のトップ3、五輪優勝のトーマス・マエフスキー、クリスチャン・カントウェル、リース・ホファらの争い。ホファが6回目で21.59mを投げて逆転優勝。




女子種目は、男子と比較して低調だった。

ヴァージン諸島のラヴェメ・ジョーンズが、ブラジルGPに続いて100,200mで11秒13のタイ記録,22秒46で優勝。

1500mでゲレテ・ブルカ(エチオピア)が3分58秒79の今季世界最高、大会新記録で圧勝。「記録に積極的に挑戦して行く」と。

走り幅跳びは、フンミ・ジモーが6・74mを跳んで北京五輪優勝者のモリーン・マジらを抑えて優勝。









 
(09年月刊陸上競技7月号掲載)
(望月次朗)

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