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運を味方につけて、ロゴウスカ女子棒高跳び初優勝

イェレナ・イシンバエワ(ロシア、27歳)が、まさかの記録なしで3連覇を逃して大波乱。4.75mを1回失敗、4.80mを2度失敗して記録なし。イシンバエワの過信か、不調なのか、いずれにしても不敗神話が崩れた瞬間だった。

ポーランドの女子棒高跳び選手のアナ・ロゴウスカ(28歳)が、ただ一人4.75mを一発でクリアーして優勝。今季イシンバエワに2回目の土をつけた。同僚のモニカ・ピュレク(29歳)、チェルシー・ジョンソン(USA,26歳)らの2人がタイ記録4.65mで2位を分けた。ウィニングランで場内を一蹴するロゴウスカ、ピュレクらは、めったに見せることのない笑顔を満面にたたえて観衆に答えた。

ロゴウスカは、「私が優勝したなんて、私自身も世界中の人たちも驚いている。もし、今朝だれから『あなたは今日優勝するだろう』と言われたら、ただ笑って済ませたろう。だれもがイシンバエワがバーを落としたときは驚いただろうと思う。記録は二の次、このような大会では勝敗がすべて。2位になることは考えたことがあるが、優勝なんて私自身が驚いています。もし、ポーランド選手が世界チャンピオンになったら・・・、夢としか思えないことが現実に起きました。明日になったら勝利の実感が沸くでしょう。今季は3つの目標を掲げました。ポーランド選手権優勝、世界選手権のメダル獲得の二つは達成したので、残る一つはポーランド新記録です」と、嬉しそうだった。

ロシア勢不運な日だった。イシンバエワが無残にも記録なしで敗戦するまえ、ウォーミングアップでユリヤ・ゴルブチコワ(ロシア、26歳)が大腿を故障して棄権。涙ながら医務室に向かう姿は痛々しかった。

 
(09年月刊陸上競技10月号掲載)
(望月次朗)

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