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ロンドンマラソン 河野副委員長のあいさつ

東北大震災で名古屋マラソンが急遽中止に追い込まれたニュースが世界に飛ぶと、世界のマラソン主催者、ロンドン、ボストン、ロッテルダム・マラソン大手主催者らが、一斉に日本選手に救済の手を伸ばしてきた。ロンドン・マラソン2代目のレースディレクターが今季を最後に引退表明した。元10000m世界記録保持者のデイヴィッド・ベッドフォードが、日本選手、スタッフらを含む旅費、宿泊費の全額をポーンと出す計らいで招待した。

4月14日、男子エリートランナーのインタビュー後、午後2時から始まった日本女子選手、ウィールチェアー男子選手2名を含む写真撮影後、日本選手のみのインタビューが日本陸連河野匡副委員長(大塚製薬)の挨拶で始まった。

地元、日本からも例年より比較的多いメディアが集まり、会場はいつもと違う雰囲気だった。さらに、寿司などを含む日本食のビュッフェで昼食の接待を受けた。

河野副委員長は、「テグ世界選手権、ロンドン五輪は、ここから始まると考えているので非常に重要なスタートになる」と前置きして決意を見せた。

以下は河野匡副委員長の挨拶の英文の全文です。

「まず、最初に英国にお住まいの友人各位、特にロンドン・マラソン関係者の皆様に最高の感謝の意を表したいと思います。

3月11日、皆様がご存じのように、巨大な地震と津波がそこに住む人々の平和な生活を奪いさりました。13,000人を超える死者、13,000人を超える人々がいまだに行方不明の状況です。わたしは今、我々は我々自身にできることを一生懸命にやることが重要だと信じています。だからわれわれはここにきたのです。

この夏に韓国で行われる世界選手権を目指し、その選考会にもなっていた名古屋女子マラソンに出場を決めていた選手たちもその犠牲者と言うことができます。名古屋マラソンもその例外ではありませんでした。日本陸連は最終選考会を開けないという窮地に追い込まれました。

その厳しい状況の中で、わたしが信じる世界最高のヴァージン・ロンドン・マラソンが親切にも我々に走るチャンスを与えてくれました。われわれ、日本陸連は正式にヴァージン・ロンドン・マラソンを世界選手権選考レースのひとつにすると発表することができました。

改めてヴァージン・ロンドン・マラソン主催者に心から感謝いたします。この温かい心に対してどうやって感謝の意を示すことができるでしょうか。わたしは参加選手が日曜日に最高の走りを見せることだと思います。それがただ一つのことです。

親愛なる友人の皆さま、心からお礼を申し上げます」と結んだ。

 
(2011年月刊陸上競技6月号掲載)
(望月次朗)

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